西原式育児を実践中のいもーと(次女)は生後11ヶ月になり、あと数日で1歳の誕生日を迎えようとしています。
今回は、生後10ヶ月から始めた「慣らし離乳食」についてのご報告です。
「慣らし離乳食」を始めた経緯
西原式育児では、「離乳食は1歳半から2歳を過ぎてから」とされています。(参考URL:http://nishihara-world.jp/2015wp/baby/01_ikuji/)
この「離乳食は1歳半から2歳を過ぎてから」というのは、腸の成長度合いを元に医学博士 西原克成先生が推奨しているものです。
なお、1歳から1歳半に近くなって離乳食を開始する場合の西原先生の手引きとしては、
・純白米のおも湯(玄米は有害因子のアブシジン酸、フィチン酸を含むため白米のおも湯にすること)を1~2さじから。
・母乳やミルクを飲ませた後、3~4時間おきくらいに1日5回程度与える。
・あくまでもメインは母乳やミルクと考えて、欲しがっても与え過ぎないよう注意が必要。
以上のようになっています。
"腸の成長"とひとくちに言っても、腸の成長は目で見ることはできません。しかし、目で見える"歯の成長"が腸の成長のひとつの目安になると考えられます。面白いことに、赤ちゃんの腸が完成して大人の消化機能に近づくのが2歳半で、乳歯が生え揃うのも一般的には2歳半なんです。この2歳半を、西原式では「乳児として完成」する時期としています。もちろん歯の生え方には個人差がありますが、それほど腸の成長も個人差があるということなんだと思います。
おねーちゃんの頃に受けた一般的な離乳食の講座では、「赤ちゃんは歯茎で噛めるので、歯が生えていなくても離乳食を始めましょう」というように説明されました。でも、これって腸の成長をかなり無視していない?と改めて疑問に思うわけです。
いもーとの場合、歯の生え始めは遅い方で、生後10ヶ月を過ぎてからやっと一番最初の歯(下の前歯2本)が歯茎の中からちらーっと見えるようになりました。
さらに、ちょうどその頃から食事中にいもーとからのあつーーーい眼差しを感じるようにもなりました。一口ごとに視線が突き刺さる…ような気がする。。。なんかヨダレもでてるし。。。(←ヨダレはたぶん歯の生え始めが原因なだけなんだけど。)
まだまだ離乳食を開始していなかったいもーとでしたが、生後10ヶ月で受けた【9、10ヶ月健診】では「順調に成長しています」の太鼓判をいただいていたので、離乳食の開始を急ぐ必要を感じてはいませんでした。しかし、いもーとの歯が生え始めたことと食事への熱い眼差しがきっかけとなり、生後10ヶ月を過ぎたある日、初めて軟飯を与えてみることにしたのです。
我が家の場合、がっちり西原式!というよりは、取り入れるところは取り入れてみようというゆるめのスタンスでいいかなというのが今現在の温度感なので、1歳半を待たずに、1歳を過ぎたら離乳食を始めようかな〜なんて考えていましたが、想定よりも少し早めのスタートとなりました。
ただし、本格的に離乳食を始めたわけではないので、保育園入園前にある「慣らし保育」からもじって「慣らし離乳食」と呼ぶことにしました。
「慣らし離乳食」スケジュール
「慣らし離乳食」は、1歳からの離乳食本スタートに向けてのあくまで「慣らし」期間なので、ほんの少量を数日おきに与え始めました。私の思いつきで始めた「慣らし離乳食」にはもちろん手引きなんてものはないので、すべてが手探りです。
スケジュールは、便の様子に注視するためにこんな感じで数日あけながら与えて、徐々に与える頻度を増やしていきました。
一週間〜10日に1回を計3回
↓
3〜5日に1回を計4回
↓
2日に1回
↓
毎日
約2ヶ月かけて、毎日食べさせるまでに至っています。
量は、一週間〜10日に1回の頃は軟飯を3〜5粒程度。3〜5日に1回の頃は10粒程度。2日に1回の頃は15粒程度で、毎日になってからは少しずつ量を増やしていって、今現在でやっと10グラム程です。
これで9グラム。やっと大人の一口分ですね。
最初の頃は1日1回で食べていましたが、今はこの10グラム前後を何度かに分けてちょこちょこ食べています。飽きたらおしまい、またあとで。という感じです。
栄養のメインは母乳で、ご飯はあくまでおやつ感覚です。
おも湯やおかゆのすりつぶしからではなく、いきなり軟飯から始めたのにも理由があります。おかゆのすりつぶしだと噛むことをせずに飲み込むだけになってしまうかなという考えからです。
噛まないということは、唾液に含まれる消化酵素アミラーゼの恩恵を受けられないだけでなく、腸での消化にも負担がかかってしまうので、悪いことずくめ。
「慣らし離乳食」を始めてすぐの頃は、口の中に入れたご飯粒を出してみたりまた入れてみたりで、さらにそれを指でいじって研究してみたりという感じでなかなか食べられませんでしたが、それでも唾液と混ざるうちにご飯もとろっとしてきて最終的に飲み込むという感じでした。おかゆをすりつぶしてとろとろしたものと唾液がまざってとろとろしたご飯とでは似て非なるものなので、あえて軟飯からのスタートにした狙い通りにはなったかなと思います。
徐々に食べるのもスムーズになってきて、上顎と舌を上手く使ってしっかりともぐもぐして飲み込むのも上手になりました。
離乳食の早期開始による無理な丸飲みを経ていないからこそしっかりともぐもぐができているのだと思います。
ただし、当ブログの読者さんが教えてくださった経験談の中には、1歳から軟飯で離乳食を始めたところ次の日に一日中下痢で苦しんだ、というケースもありましたので、ご自身のお子さんの様子を見ながら与える内容や量は慎重に調整していく必要があるのかなと思います。
ちなみにですが、私の場合、ご飯の与え方もちょっと独特で、、、
文明人のすることか?と叱責されてしまうかもしれませんが、スプーンではなく私の人差し指にご飯粒をちょこんと乗せていもーとの口に運んでいます。ご飯を乗せた指を口に近づけると、いもーとが口をあけて食べてくれます。これがめちゃめちゃ可愛い。笑
これが一口分で、指先には7粒ほど乗っています。
しっかり噛めるように、一口分があまり多くならないようにしています。
スプーンの方が衛生的かもしれませんが、赤ちゃん自身がスプーンを持ちたくなってしまっててんやわんやすることもありませんし、なによりご飯の温度が直にわかるので、熱すぎてやけどをさせる心配もなく、冷めたままのご飯をあげることもありません。冷えたご飯って、指先に乗せると本当にヒンヤ〜リするんです。スプーンだとその冷たさは感じられないので、平気で冷えたご飯を赤ちゃんにあげてしまっている人もいるんじゃないかなと思います。
ただ、この指で食べさせる方法だと与えるのにとっても時間がかかるので、ご飯があっという間に冷めます。なので、冷めたら都度温め直しをしています。(西原式では体温以下の飲食はタブーです。)
ただし、お母さんのやけどに注意!温め直し直後の軟飯のアツさはやばいです。笑
今後食材を増やしていったらさすがにスプーンじゃないと無理にはなってくるので、時期をみてスプーンでの食事に切り替えるつもりではいます。いもーとが今後、無事に文明人になれるかどうかもまた追ってご報告します。
離乳食を進める上でのチェックポイント
西原式では、赤ちゃんの様子をよく観察しながら慎重に離乳食を進めていきます。離乳食を進めるにあたっては、便の色(黄金便が理想的で、緑便は消化不良)、肌の様子、機嫌がいいか、うつぶせ寝をしていないか、ということが西原式でのチェックポイントとなります。 よくない点があれば赤ちゃんに負担がかかっているということなので、離乳食をスローダウンさせたり、一旦お休みするなどして様子をみます。
いもーとの場合を振り返ってみます。
排泄に関しては、最初が軟飯2、3粒程度だったので腸への負担も少なかったのか、下痢や便秘などの目立ったトラブルはありませんでした。ごくたまーに下痢っぽいかな?という日があったこともありましたが、基本的には絶好 "腸"のいもーとです。最近では毎日食べるようになったとはいえ、まだまだ量も少ないので、母乳だけの頃と変わらない黄金のどろどろうんちが毎日出ています。
生まれてからというもの肌トラブルも特になかったいもーとでしたが、慣らし離乳食を始めて少し経った頃に、珍しく赤い発疹が顎に2個できたことがありました。ヨダレでかぶれたのかな?なんて思って保湿をしていたら数日のうちに治ったので特に気に留めていなかったのですが、今思えば慣らし離乳食の影響もあったのかもしれないです。
ひとつ気になるのは、最近寝るときにうつぶせ寝が増えたようなきがすること。
基本的にいつも機嫌はいいので特に心配はしていませんでしたが、
・ごくたまに下痢っぽかった
・顎に発疹ができた
・うつぶせ寝が増えた
以上の3点が西原式的にはひっかかるので、「慣らし」とはいえ、生後10ヶ月からの離乳食ですらやはり少し早かったのかな?と思ったりもしています。「慣らし離乳食」のスタートが1歳ぐらいからでもよかったのかもしれません。
離乳食の開始が遅いと食べる練習が出来ない?
おねーちゃんがまだ赤ちゃんだった頃、私は西原式を知っていたにも関わらず、生後6ヶ月で離乳食を始めてしまっています。
おねーちゃんが生後5ヶ月の頃に聞いた、保育士さんからのこんなお話がきっかけでした。
「1歳まで離乳食をやらずにきて、いざ1歳になって離乳食を始めようとしたときにスプーンが口の中に入ってくるのを赤ちゃんが受け入れてくれなくて困っている、と相談してきたお母さんが過去にいる。離乳食は栄養のためだけじゃなくて、食べ物を食べていく練習でもあるから、然るべき時期に始めるべき。過ぎてしまった時期は取り戻せないんだから。」
この話を聞いてビビった当時の私は、生後6ヶ月で離乳食を始めてしまったのです。
しかし、今になってこう思うのです。
仮に1歳でスプーンを嫌がるのなら、手づかみ食べができるものを与えて次第にスプーンに慣らせていくのでもいいのではないかなと。一般的な離乳食スケジュールですら9ヶ月頃から手づかみ食べができるくらいなので。どろどろのお粥は指でつまめませんが、軟飯なら赤ちゃんの指でもつまめます。
また、先ほどの保育士さんのいうように本当にスプーンの練習が必要なんだとしたら、何も無理に生後半年の赤ちゃんにご飯を与えないで、母乳(またはミルク)をスプーンで与えるので十分なんじゃないか?と。
離乳食の早期開始を推奨する理由の一つに、噛む練習のため、と説明されることが多いですが、西原式ではこの時期のおっぱいを吸う吸啜運動こそがのちの噛む運動につながると考えられています。吸啜運動が重要な時期に離乳食を始めてしまうことこそが、逆に丸飲みを覚えてしまいしっかり噛んで食べられないようになる原因になってしまうのです。
離乳食の開始が遅いことでのメリット&デメリット。
いもーとは生後10ヶ月で「慣らし離乳食」を始めてみたわけですが、おねーちゃんの頃と明らかに違う点が一つあります。それは、私の心がとっても穏やかだということ。
一般的に、第二子以降は第一子に比べて親の心に余裕ができるものだとは思いますが、それを差し置いても私の心はとても穏やかなのです。理由はズバリ、食べない離乳食(食べるべき時期ではない離乳食)を一生懸命作る→せっかく苦労して作ったのに食べてくれない→イライラする、という悪循環が一切ないためだと思います。生後6ヶ月から現在に至るまでその無駄なイライラを感じずに済んだのは、器の小さい私には何よりの恩恵でした。
さらに、通常の離乳食スケジュールでは1歳からの幼児食に向けて徐々に授乳回数を減らしていくようになっていますが、いもーとはまだまだ授乳回数も多く母乳が栄養のメインなので、【満たされている感】が半端ないです。「いつ見てもご機嫌だよね」とか、「こんな穏やかな赤ちゃん見たことない!」といもーとはよく言われます。ちなみにですが、おねーちゃんも穏やかベイビーで育てやすい子でしたが、それを上回っている!これは、授乳回数の多さと、私自身の離乳食に対するストレスが皆無で穏やかでいられるからこそだと思うのです。
「せっかく苦労して作った離乳食」の"せっかく"と"苦労して"の部分が強ければ強いほど、赤ちゃんの本能からくる「このご飯は今は食べられないんだよう〜」という食べたくない、食べられないのSOSサインを見過ごしてしまう原因にもなりますよね。赤ちゃん側の都合よりも、「なんで食べてくれないのよー!キィィーー!!」という与える側の気持ちが先立ってしまうのが目に見えています。例え手作りではなくパウチ離乳食だったとしても、「え?!せっかく開けたのに一口しか食べないの?!もったいなーーい!!」とイライラしてしまいそう。笑
赤ちゃんが食べたがらないときは、ズバリ、赤ちゃんが本能で求めていないということだと割り切って、おっぱいなりミルクなりを飲ませてあげる方が赤ちゃんにとってもお母さんにとっても幸せなのかなと思ったりもするのです。
離乳食の開始が遅いことでのデメリットを考えると、やはり、授乳回数の多さでしょうか。
いもーとの場合、まだまだ栄養は母乳がメインなので、授乳回数は8〜9回です。絶賛夜間授乳中です。いまだに2〜3時間ごとに授乳をしているので、この辺の覚悟は必要かなと思います。
単純に夜間授乳がつらいというのもあるし、仕事復帰などで保育園等に赤ちゃんを預けざるを得ない場合は、昼間は授乳ができず、給食として離乳食を食べさせざるを得なくなってしまいます。西原式を知っているお母さんが「給食なんて食べさせたくないのに」と感じている場合は、それが逆にお母さんのストレスにもなってしまいかねません。その場合は、家にいるときだけでも授乳栄養をメインにできればいいのですが、仕事があるとさらに夜間授乳がつらくなってしまいますね。家庭ごとの状況によってうまく折り合いをつける必要があります。
そのほかに、食物アレルギーに関する心配もあります。近年では、離乳食の開始を遅らせるよりも早く始めた方が食物アレルギーになりにくい、といった研究も発表されています。
今回は長くなってしまったので、食物アレルギーについての研究や離乳食の開始を遅らせることで憂慮すべき点などを次回詳しく書きたいと思います。
▶︎【離乳食の開始を遅らせることが食物アレルギーにつながる可能性?】西原式育児を実践する人が知っておかなければいけないこと。 - YOROZU-KOSODATE