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乳児から始める「顎育」のススメ。悪い噛み合わせこそが万病のもとに。生理不順や不妊症の原因にも。

「顎育」という言葉をご存知ですか?開始時期が早ければ早いほどいい「顎育」について、歯科医の話や自身で調べたことを元にまとめていきます。

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悪い噛み合わせこそが万病の元!?

西原式育児を知っている人にとって、鼻呼吸の大切さはすでに周知されていることだと思います。西原式育児を提唱する西原克成先生に限らず、口呼吸が万病の元であると提言している医師は多くいます。

 

しかし、口呼吸以外にも万病の元となりうることがあるようです。多くの慢性病、生活習慣病の根本的な原因の一つには、【悪い噛み合わせ(不正咬合)】もあるといわれているのです。

 

悪い噛み合わせが、肩こりや腰痛だけでなく、不眠症、自律神経失調症、婦人科系の病気など全身に大きく影響しているというのです。噛み合わせの悪さが生理不順や不妊症を招くなんて驚きですよね。

 

「体の歪み」ときくと、整体やマッサージ等で体をほぐそうと考える人も多いかもしれません。しかし、噛み合わせが悪い状態のままで整体やマッサージ、針治療などをしてその後しばらくは良い状態が得られたとしても、体の歪みの根本である噛み合わせが治らない限りは、またすぐに症状が悪くなってしまいます。そういった場合には、根本である噛み合わせの治療も念頭にいれなければならないわけです。

どうして悪い噛み合わせになるの?

ここで、悪い噛み合わせになってしまう原因を考えていきたいと思います。

 

一般的に、頬杖をつくことや横向き寝での歯への物理的な負荷や、親知らずが生えることが噛み合わせを悪くする原因だとよく言われています。しかし、実際には、しかるべき時期に顎が大きく成長しなかったということが悪い噛み合わせの根本の原因になっているようです。

 

想像してみてください。本来6人座り用のベンチを作るはずだったのに、材料不足で4人座り用のベンチになってしまったとします。そこに無理やり6人が座りこみます。ぎゅうぎゅうなので、身を斜めによじらせたり、他人の膝の上に乗っかってしまっている人もいるかもしれません。

これが、しかるべき時期に大きく成長しなかった小さな顎に、無理やり歯が生えてしまっている状態です。歯並びが悪くなり、噛み合わせも悪くなってしまいます。これを防ぐために取り組みたいのが、大きくていい顎を育てるための「顎育」なのです。

 

また、その他にも乳歯の虫歯も悪い噛み合わせの一因になります。「乳歯はどうせ抜けるから虫歯になっても大丈夫」という認識の親御さんも世の中にはいるようです。でも、それは大きな間違いです。乳歯が虫歯になって最悪抜歯をするようなことになれば、その部分では正しい咀嚼が行えなくなります。咀嚼ができなくなれば、顎の発達にも影響を及ぼします。また、抜歯をした場合は、抜歯をした歯の役割を補おうと隣の歯が少しずつ移動してしまうので、のちに生えてくる永久歯もずれた場所に生えて来ざるを得なくなります。このように、乳歯の虫歯はのちの悪い噛み合わせの原因にもなるので「乳歯はどうせ抜けるから虫歯になっても大丈夫」なんてことは全くないのです。

いい歯はいい顎から

大人の場合、もう成長期を過ぎてしまっているので、矯正や噛み合わせ治療をすることでしか噛み合わせをよくすることはできません。しかし、小さな子どもであれば、「顎育」を意識してあげることで大きないい顎への発達を促してあげられます。

 

ここで注意しておきたいのが、大きな顎=顔が大きくなる、ということではないということです。歯列矯正をして噛み合わせを正しくすることで余計な筋肉のこわばりが取れ、逆に小顔効果につながったというケースもあるほどです。(歯科で実際の治療例をいくつかみせていただきました。)

 

歯のためを考えて丁寧な歯磨きを心がけたり、フッ素湿布を取り入れているご家庭もあることだと思います。でも、いい歯のためには、まずはいい顎を育ててあげる必要があるのです。

 

小さな顎は百害あっても一利なしですから、親は子どものために「顎育」を意識してあげるべきでしょう。

顎が大きく成長しない原因は?

では、なぜ顎が発達せず、小さな顎になってしまうのでしょうか。原因には、以下が挙げられます。

 

・早すぎる離乳食

・早すぎる断乳

・食の欧米化

 

食の近代化が進むにつれ、顎の小さい人(=顎がきちんと成長できなかった人)が増えていったそうです。それぞれの原因を詳しくみていきます。

早すぎる離乳食

西原式育児ではおなじみな話ですが、赤ちゃんの時期の噛む力は、おっぱいを吸う際の【吸啜運動】によって養われます。母子手帳に書かれているように、咀嚼力を育てるために生後5・6ヶ月から離乳食を始める、というのは大きな間違いなのです。早期の離乳食では、噛む力を育てるどころか、逆に、丸飲みを覚えてしまうので顎の発達にはつながりません。

西原式育児について詳しくはこちらをご覧ください。

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早すぎる断乳 

おっぱいを吸うためには、舌や口周りの筋肉を複雑に使う必要があります。これが顎の発達や、のちの噛む力を育てます。哺乳瓶の場合は、おっぱいを吸うよりも簡単に飲めてしまうので、人工乳で育った子どもよりも母乳で育った子どもの方が顎の発達がいいということもあるようです。(「歯の噛み合わせがすべての原因だった」 著・山田唯勝 P.74参照)

顎の発達から考えると、本来は2歳や2歳半までは母乳を飲むのがいいそうです。これは、私の通っている女性歯科医からうかがった話ですが、西原式育児の方針と通ずるところがあります。

食の欧米化

顎の発達には、遺伝的要素が関わっているように思われがちです。しかし、実際には食事内容や食生活が大きく関わっているようです。食生活の見直しを図り、伝統食を取り入れた家庭では、子どもの顎が親の顎よりも遥かに大きく発達したそうです。(「子どものむし歯予防は食生活がすべて 4人の子どもに歯を磨かせなかった歯科医の話 著・黒沢誠人、幕内秀夫」より)

うちの子はいい顎?発育状況を知る方法は?

2歳半頃になって一番奥の乳歯(乳歯第二乳臼歯)が生えて乳歯が生え揃ったときに、歯のあいだに隙間があるかを確認してみてください。歯のあいだに隙間があることが、顎が良く発達している目安です。歯のあいだに隙間がない場合、早すぎる離乳食や早すぎる断乳、人工乳での生育などが原因として考えられます。この時点で歯のあいだに隙間がないようであれば、のちにあげる【噛む力】を意識的に強化していくといいようです。

2歳までは【吸う力】、2歳半からは【噛む力】を意識した【顎育】を

「顎育」は、生まれた瞬間からすでに始まっています。乳児期における「顎育」を考えると、できるだけ母乳で育ててあげるのが理想のようです。

 

2歳半頃に一番奥の乳歯(第二乳臼歯)が生えてくるまでは、たくさん【吸啜運動】をさせてあげることが乳児期の一番の「顎育」です。一番奥の乳歯(第二乳臼歯)が生えてきたのを合図に、【噛む力】にも意識を向けて本格的に食べ物を噛む経験をしていけばいいわけです。(この時期を、西原式育児では「乳児としての完成」としています。)

 

2歳までは【吸う力】、2歳半からは【噛む力】を意識した「顎育」をしていくとよいでしょう。

2歳半からの【噛む力】で意識したいの2つの力

【噛む力】を鍛えると聞くと、「硬いものを食べる」と思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、その他にも以下の2つの力を意識していくといいようです。

 

・噛みちぎる力

・咀嚼回数

 

それぞれの特徴やおすすめな食品をみていきます。

噛みちぎる力

手に持ったフライドチキンを食いちぎるような食べ方も、顎の力を鍛えます。長めに切った海苔巻きなんかもいいそうです。海苔巻きは噛みちぎりにくいし、飲み込むまでにたくさん噛まないといけないので、「顎育」にはうってつけの食品です。この他にも、手づかみ食べができる食品は、噛みちぎる力を鍛えることが期待できます。今が旬のとうもろこしも、口を大きく開け、顎と手を器用に使わないといけないのでおすすめですよ。

咀嚼回数

西原式育児を提唱する西原克成先生は、片噛みをやめ両方の歯で30回噛んで食べることが健康な体作りには欠かせないとしています。これは、顎の発達にも貢献します。子どもに30回噛むようにといってもなかなか難しいと思うので、咀嚼回数が自然と増えるような献立を取り入れてみましょう。具体的には、噛みごたえを意識していきます。前述の海苔は自然と咀嚼回数が増えますし、ひじきや切り干し大根などの煮物には薄切りのれんこんを入れるだけでも噛みごたえが出るので咀嚼回数が増えます。有機野菜であれば、皮を向かずに調理することでも咀嚼回数が増えます。皮付きの果物(さくらんぼやみかん、りんごなど旬のもの)も、皮をむいて食べる果物より咀嚼回数の増加が期待できます。

 

さきほど、「噛みちぎる力」でもご紹介したとうもろこしですが、娘(3歳)の場合、芯のないバラバラの状態のコーンでは、まるごとのまま便に混じって出てきます。残念ながら上手く噛めていない証拠ですね。とほほ。しかし、芯付きのとうもろこしでは咀嚼回数が増えるので、まるごと出てくることはありません。同じ食べものであっても、切り方や調理のし方を変えるだけで咀嚼回数をあげられるいい例ではないでしょうか。

 

顎の強化のためにスルメやにぼしといった干物を取り入れようと思う方もいるかもしれませんが、私としては、干物は大人にも子供にもあまりオススメできないなと思っています。詳しくはこちらをご覧くださいね。

▶︎しらす干しを赤ちゃんにあげてはダメ?!塩分だけじゃない。干物が離乳食に向かない理由。 - YOROZU KOSODATE

気づいた時が始め時の【顎育】

6歳頃になると、一番最初の永久歯(第一大臼歯)が生え始めます。この頃までに十分に顎が育っていないと、窮屈な顎に永久歯が生えてきてしまうことになるので、歯並びの悪さ、しいては悪い噛み合わせの原因になってしまいます。それでも、永久歯が生え揃うまでに、気づいた段階で「顎育」を意識して少しでも顎を大きくしてあげることで、歯並びが悪くなるのを防ぐことは期待できます。永久歯の生え揃う12〜13歳頃までが勝負どころです。

 

風船を膨らませるのも「顎育」にはおすすめです。3歳の娘は風船を膨らませるのがちょうどマイブームになっていますが、現代では、風船を膨らませられない子どもも増えているそうです。理想は、手で支えずに、口だけで風船を支えて膨らませること。手で支えずに膨らませるとなると、唇を締める力や頬の力など様々な筋肉を上手に使う必要があるため、顎のトレーニングにもつながります。これ、やってみると大人でもなかなか難しいです。子供に限らず、顎や口まわりの筋肉が刺激されるので大人にとっても老化防止として有効です。

我が家の【顎育】事情

娘(3歳0ヶ月)の場合、顎の良い発達の目安である「歯の隙間」が、実はあまりあいていません。糸ようじを通してみると、箇所箇所で糸ようじの通りにくい場所があります。

 

娘が生まれてからは完全母乳で育てましたが、1歳半で断乳しています。生後6ヶ月で離乳食を開始してしまっています。その後、1歳8ヶ月で西原式育児を取り入れ、吸啜運動の大切さを知り、せめてもの思いで粉ミルクを哺乳瓶で与え始めました。3歳になった現在でもまだ粉ミルクを飲ませていますが、もっと【噛む力】を意識した「顎育」にシフトチェンジしていく必要があったようです。

 

こちらは、「顎育」を意識した娘のお弁当です。

これまでは一日の三食とも塩にぎりを食べさせていましたが、「顎育」を意識し、おにぎりには海苔を巻くようにしてみました。

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内容:

おにぎり

高野豆腐

人参とオクラの煮物

レンズ豆とかぼちゃの煮物

さくらんぼ

 

おにぎりは海苔を巻くことで噛みちぎる力や咀嚼回数の向上が期待されます。

高野豆腐もたくさん噛まないと飲み込み辛い食品です。

人参は咀嚼回数の向上を意識して乱切りです。

さくらんぼも皮がついているので咀嚼回数が期待できます。口から種だけを出すのにも舌の複雑な動きが必要です。

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内容:

おにぎり

ブロッコリーとかぶ

とうもろこし

人参とミックスビーンズのトマト煮

さくらんぼ

 

とうもろこしは、お弁当サイズなので小さめに切りましたが、バラして実だけにはせず、芯付きのまま切って入れています。

あとがき

今回は、「顎育」を意識して子どもの顎を大きく育ててあげることが、将来起こるかもしれない生理不順や不妊症、しいては慢性病や生活習慣病の予防につながるということをお伝えしたくて記事にしました。

 

西原式をしていたのでこれまでは【吸啜運動】に目を向けてきましたが、3歳からは【噛む力】を積極的に鍛えるべく「顎育」を意識した子育てをしていこうと思いました。娘ちゃん、立派な顎に育ってね!

 

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